クリニックにアートメイクを導入するには —— 体制・人材・教育で必要になること
この記事だけは、受講を考える看護師ではなく、導入を検討する医師・クリニック運営者に向けて書きます。32校を調べた立場から、体制・人材・教育のどこにボトルネックがあるかを整理します。
クリニックへのアートメイク導入|要点
- アートメイクは医行為です。施術は医師、または医師の指示を受けた看護師が、医療機関として届出のある施設で行います。
- 導入で最初に決めるのは「誰が施術するか」ではなく「誰が指示を出すか」です。指示体制が成り立たなければ運用できません。
- 人材の供給は地域に偏っています。スクールの拠点があるのは10都道府県だけで、22県には1校もありません。
- 入れる技術はほぼ全校が教えますが、除去・修正は32校中8校だけです。他院で入れたものの相談に応じられる人材は希少です。
- 採用より教育のほうが期間もコストもかかります。モニター実習の場をどう用意するかを先に設計してください。
この記事は、導入を検討する医師・クリニック運営者向けです。受講を検討している看護師の方は、アートメイク看護師になるには?からお読みください。
クリニックにアートメイクを導入する前提|何が必要か
アートメイクは医師法第17条にいう「医行為」です。導入にあたって同時に満たすべき要件は3つです。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 医療機関として届出のある施設 |
| 人 | 医師、または医師の指示を受けた看護師(准看護師を含む) |
| 指示 | 看護師が施術する場合、医師の指示 |
アートメイクのための個別の許認可制度は確認できませんでした。ただし広告(医療広告ガイドライン)、医療廃棄物、感染対策、同意取得は通常の医療行為と同じ枠組みで検討が必要です。具体的な要件は所管の保健所にご確認ください。
※参考:厚生労働省「医師免許を有しない者によるいわゆるアートメイクの取扱いについて」(令和5年7月3日)/医師法(e-Gov法令検索) / 当サイトが根拠にしている資料は一次情報・関連機関リンク集にまとめています。
アートメイクの医師の指示体制をどう組むか
導入の相談で最初に詰まるのが、ここです。「誰が施術するか」より先に「誰が指示を出すか」を決める必要があります。
医師が担うのは、少なくとも次の場面です。
- 診察と適応判断——既往、内服、アレルギー、皮膚の状態、妊娠の有無
- 施術の指示——部位・色・範囲
- 急変・合併症への対応——アレルギー反応、感染、出血
- 説明と同意の最終的な責任
「看護師に任せきり」にはできません。施術中に指示を出せる医師が不在という運用は、法的にも安全管理上も成り立ちません。
施術は1件あたり数時間かかることがあります。その時間帯に医師が院内にいる前提でスケジュールを組めるかを、先に確認してください。
アートメイクの施術者をどこから採用するか
供給元は大きく3つです。
| 供給元 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 経験者を採用 | 即戦力。症例を持っている | 供給が限られ、都市部に偏る。条件競争になりやすい |
| スクール経由の紹介 | 提携・業務委託の制度を持つ校がある | 校によって出口の設計が大きく違う |
| 院内の看護師を育てる | 定着しやすい。理念を共有できる | 実習の場を院内で用意する必要がある |
スクール側から見た「卒業後の導線」は、そのままクリニックにとっての人材供給ルートです。 当サイトの⑤就職・開業(15点満点)で高い校は、提携・業務委託の制度を持っています。
- 日本アートメイクアカデミー大阪・南船場75/100就職・開業15/15 満点。就職斡旋の実績、修了生専用のフリーランス施設(心斎橋)、Instagramマーケティング講習まで詳しく見る→
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2026年8月14日時点の各校公式サイトの公開情報にもとづく当サイトの採点です。採点方法/全32校の比較表
アートメイク人材の地域による供給の偏り
ここは導入の可否を左右します。2026年8月14日時点で32校の拠点を数えたところ、 拠点があるのは10都道府県だけでした。
22県には、アートメイクスクールが1校もありません。東北・北陸・甲信越・中国・四国・沖縄が該当します。
つまりこれらの地域では、経験者の採用も、地元での育成も難しいということです。 一方で32校中14校はオンラインまたは出張に対応しているため、院内の看護師を育てる場合は、地方でも成立の余地があります。ただしモニター実習は対面が必要なので、そこをどう設計するかが要になります。
地域ごとの状況は地域から探すで公開しています。
アートメイクの教育と実習の場をどうするか
採用より教育のほうが、期間もコストもかかります。そして最大のボトルネックはモニター実習の場です。
実習は実際の人に施術するため、医療機関で、医師の指示のもとで行う必要があります。院内で実習の場を用意できるなら、これは強みになります。スクール側で実習件数が限られている(1名という校もあります)ことが、 業界全体のボトルネックだからです。
設計時に決めておくこと
- モニターをどう集めるか(院内募集か、受講者が連れてくるか)
- モニター価格をいくらにするか(材料費相当か、無償か)
- 誰が横について指導するか(指導者の時間の確保)
- デビューの基準をどこに置くか(何件で単独施術を許可するか)
実習量の実態はモニター実習は何件できる?、 受講期間の幅は何ヶ月で習得できる?にまとめています。採用時に「何件経験したか」を聞く根拠として使えます。
アートメイク導入前にリスク管理で決めておくこと
施術そのものより、トラブルが起きたときの対応を先に決めておくことが重要です。
- 説明と同意の様式——消えないこと、色が変化すること、修正の可否を明記する
- 使用色素の記録——ロット単位で残す
- 他院修正の受入れ範囲——どこまで対応するかを先に決める
- 合併症時のフロー——誰が診るか、いつ医師へ上げるか
- 広告表現の確認——医療広告ガイドライン。ビフォーアフターの掲載には要件があります
③はとくに実務で問題になります。他院で入れたものの修正依頼は一定数あり、除去・修正を教えているスクールは32校中8校しかありません。レーザー除去は色素によって変色する可能性が指摘されており、安易に受けるべきではありません。
色の変化の仕組みはアートメイクの色はなぜ変わる?、 合併症の全体像はリスクと合併症にまとめています。
本記事は一般的な情報提供であり、個別の法令解釈・経営判断を目的とするものではありません。 施設基準・広告表現・届出の要否については、所管の保健所および専門家にご確認ください。数値は2026年8月14日時点で各校の公式サイトに公開されていた情報にもとづく当サイトの調査です。 根拠法令:医師法(昭和23年法律第201号)第17条/保健師助産師看護師法第37条/ 厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(医政発第0726005号)/ 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」(医療広告ガイドライン)。
よくある質問
- クリニックでアートメイクを始めるのに、特別な届出は必要ですか?
- アートメイクのための個別の許認可制度は確認できませんでした。ただし施術は医療機関として届出のある施設で行う必要があります。診療科目の標榜、広告の扱い(医療広告ガイドライン)、医療廃棄物の処理などは通常の医療行為と同じ枠組みで検討が必要です。具体的な要件は所管の保健所にご確認ください。
- 看護師に施術させる場合、医師は何をする必要がありますか?
- 医師の指示が必要です。看護師は保助看法第37条により、主治の医師の指示があった場合を除き、衛生上危害を生ずるおそれのある行為を行えません。診察・適応判断・指示・急変時の対応を医師が担う体制が前提になります。
- アートメイクは経験者を採用するのと、未経験の看護師を育てるのはどちらがよいですか?
- 一概には言えません。経験者は即戦力ですが供給が限られ、地域差も大きくなります(スクールの拠点は10都道府県のみ)。未経験者を育てる場合はモニター実習の場を院内に用意できるかが鍵になります。当サイトの調査では、実習の場を提供する仕組みを持つスクールは限られていました。
- 他院で入れたアートメイクの修正依頼にはどう対応しますか?
- 対応できる人材が非常に少ないのが実情です。2026年8月14日時点で除去・修正を教えているスクールは32校中8校でした。レーザー除去は色素によって変色する可能性が指摘されており、安易に受けるべきではありません。対応範囲を院内で先に決めておくことをおすすめします。
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本記事は2026-08-17時点の公開情報にもとづきます。掲載内容の正確性・最新性を保証するものではありません。 受講・応募の判断は必ず各スクール・各医療機関の公式情報をご確認ください。 本サイトは技術の習得・就職・収入を保証するものではなく、成果には個人差があります。 アートメイクは医師法第17条にいう医行為であり、施術は医師または医師の指示を受けた看護師のみが行えます。 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています(掲載基準)。