施術の知識公開 2026-08-16更新 2026-08-17医師監修

アートメイクとタトゥーの違いは? 色素を入れる深さと、法的な扱いが違います

「アートメイクとタトゥーは何が違うのですか」は、施術者になれば必ず聞かれる質問です。答えられないと信頼されません。違いは大きく3つ——色素を入れる深さ、持続期間、そして法的な扱いです。

アートメイクとタトゥーの違い|要点

  • 最大の違いは、色素を入れる皮膚の深さです。アートメイクは表皮に近い浅い層、タトゥーはより深い真皮に入れます。
  • だからアートメイクは色が薄くなります。ターンオーバーの影響を受けるためで、一般に1〜3年程度で薄くなるとされます(個人差があります)。
  • ただし「完全に消える」わけではありません。薄くなっても色素は残り、色調が変化することがあります。
  • 法的な扱いも違います。アートメイクもタトゥーも針で色素を注入しますが、アートメイクは医行為とされ、医療機関でしか行えません。
  • 除去・修正を教えているスクールは32校中8校だけでした。入れる技術と直す技術は別です。

アートメイクとタトゥーの違いは「深さ」

どちらも針で皮膚に色素を注入するという点では同じです。違うのはどこまで入れるかです。

アートメイクタトゥー
色素を入れる層表皮に近い浅い層より深い真皮
持続薄くなる(個人差が大きい)ほぼ半永久的に残る
目的眉・リップなどの形や色を補う図柄・装飾
法的な扱い医師法第17条にいう医行為本記事では扱いません

皮膚は表皮・真皮・皮下組織の層でできています。 表皮は一定の周期で入れ替わる(ターンオーバー)ため、浅い層に入れた色素は少しずつ排出されます。一方、真皮は入れ替わらないので、深く入れた色素はほぼ残り続けます。

アートメイクとタトゥーで色素を入れる皮膚の深さの違いを示した肌の断面図
アートメイクは表皮に近い浅い層、タトゥーはより深い真皮に色素を入れます。図:当サイト監修者の著書『アートメイクがわかる』シリーズより

※参考:厚生労働省「医師免許を有しない者によるいわゆるアートメイクの取扱いについて」(令和5年7月3日)医師法(e-Gov法令検索) / 当サイトが根拠にしている資料は一次情報・関連機関リンク集にまとめています。

アートメイクとタトゥーで持続期間が違う理由

アートメイクが「薄くなる」のは、このターンオーバーのためです。 ただし期間を断定してはいけません。

持続期間は次の要因で大きく変わります。

  • 肌質とターンオーバーの速さ(年齢によっても変わります)
  • 色素の種類と色(明るい色ほど早く目立たなくなる傾向)
  • 入れた深さ(施術者の手技によって変わります)
  • 紫外線、摩擦、スキンケアの内容

「1〜3年程度」という言い方が使われますが、これは目安であって保証ではありません。施術前の説明では必ず「個人差があります」を添えてください。

アートメイクのインクは垢と一緒に体外に出て薄くなり、タトゥーは残ることを示した図
アートメイクの色素は皮膚のターンオーバーで少しずつ体外に出ますが、タトゥーは深い層にあるため残ります。図:当サイト監修者の著書『アートメイクがわかる』シリーズより

アートメイクに「消える」という説明はしない

ここが、施術者として最も気をつけるべき点です。

「薄くなる」と「消える」は違います。アートメイクの色素は完全には抜けません。薄くなっても残り、 時間の経過とともに赤みや青みを帯びることがあります。

受ける側は「そのうち消えるから、気に入らなければやり直せる」と考えていることが少なくありません。この誤解を残したまま施術すると、後で必ず問題になります。

色の変化やリスクの詳細はアートメイクのリスクと合併症にまとめました。説明と同意は、技術と同じくらい重要な業務です。

アートメイクとタトゥーの法的な扱いの違い

アートメイクは、厚生労働省の解釈により医師法第17条にいう「医行為」とされています。 そのため、次の制約がかかります。

  • 施術できるのは医師、または医師の指示を受けた看護師のみ
  • 医療機関として届出のある施設でしか行えない
  • 自宅サロン・レンタルスペースでは施術できない

「タトゥーはサロンでやっているのに、なぜアートメイクはだめなのか」という疑問を持たれることがあります。 これはアートメイクについて医行為とする解釈が示されているためで、 タトゥーの施術をめぐる法的な議論とは別の話です。当サイトは後者を扱いません。

無資格・無届出の施設で施術した場合に問われる責任は無資格サロンで働かないためにに整理しました。看護師免許があっても、場所と指示の要件は免除されません。

※参考:厚生労働省「医師免許を有しない者によるいわゆるアートメイクの取扱いについて」(令和5年7月3日)医師法(e-Gov法令検索) / 当サイトが根拠にしている資料は一次情報・関連機関リンク集にまとめています。

アートメイクとタトゥーは除去の難易度も違う

浅いから消しやすい、とは限りません。アートメイクの除去にはレーザー照射が用いられることがありますが、色素の種類によっては照射により変色する可能性が指摘されています。 複数回の施術が必要になることもあり、元の状態に完全に戻せる保証はありません。

それにもかかわらず、除去・修正を教えているスクールは32校中8校だけでした (2026年8月14日時点)。入れる技術はほぼ全校が教えていますが、直す技術はほとんど教えられていません。

2026年8月14日時点の各校公式サイトの公開情報にもとづきます。技法の違い全32校の比較表

患者さんへアートメイクとタトゥーの違いを説明する型

聞かれたときに答えられるよう、順番を決めておくと迷いません。

  1. 「入れる深さが違います」——アートメイクは浅い層、タトゥーは深い層
  2. 「だから薄くなります。ただし完全には消えません」——ここを必ずセットで言う
  3. 「どれくらいもつかは個人差があります」——年数を断定しない
  4. 「色は変化することがあります」——赤み・青みの可能性を先に伝える
  5. 「除去は簡単ではありません」——やり直せる前提を持たせない
  6. 「医療機関でしか受けられません」——なぜそうなのかまで説明できると信頼されます

②と⑤を省略しないでください。トラブルの多くは、この2つが伝わっていないところから起きます。

この線引きは国によって違います。韓国は2025年に可決した法律でタトゥーと半永久メイクをまとめて扱うことにしました。 各国の扱いは海外のアートメイク事情にまとめています。

本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療を目的とするものではありません。 持続期間・仕上がり・除去の可否には個人差があり、結果を保証するものではありません。 施術の適応判断は診察を行う医師が行います。 根拠法令:医師法(昭和23年法律第201号)第17条/保健師助産師看護師法第37条/ 厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(医政発第0726005号)。

よくある質問

アートメイクとタトゥーの違いは何ですか?
色素を入れる皮膚の深さが違います。アートメイクは表皮に近い浅い層に、タトゥーはより深い真皮に色素を入れます。そのためアートメイクは皮膚のターンオーバーの影響を受けて薄くなりますが、タトゥーはほぼ半永久的に残ります。法的にもアートメイクは医行為とされ、医療機関でしか行えません。
アートメイクは何年くらいもちますか?
一般に1〜3年程度で薄くなるとされますが、個人差が大きく断定できません。肌質、ターンオーバーの速さ、色素の種類、入れた深さ、紫外線の影響などで変わります。「◯年で必ず消える」という説明はしないでください。
アートメイクは完全に消えますか?
消えません。薄くはなりますが色素は残り、時間の経過とともに赤みや青みを帯びることがあります。「そのうち消えるから大丈夫」という説明は誤りです。
タトゥーの施術も看護師ができますか?
本記事の対象外です。タトゥーの施術については、アートメイクとは別の法的な議論があり、当サイトは扱っていません。アートメイクについては、医師法第17条にいう医行為とされ、医師または医師の指示を受けた看護師のみが医療機関で行えます。

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本記事は2026-08-17時点の公開情報にもとづきます。掲載内容の正確性・最新性を保証するものではありません。 受講・応募の判断は必ず各スクール・各医療機関の公式情報をご確認ください。 本サイトは技術の習得・就職・収入を保証するものではなく、成果には個人差があります。 アートメイクは医師法第17条にいう医行為であり、施術は医師または医師の指示を受けた看護師のみが行えます。 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています(掲載基準)。

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