アートメイクの同意書とカルテには何を残す? 記録は将来あなたを守ります
記録は面倒な事務ではありません。数年後にその方が除去を希望したとき、あるいは何かが起きたとき、頼りになるのは記録だけです。何を残すべきかを整理しました。
アートメイクの同意書とカルテ|要点
- 診療録(カルテ)の作成と保存は、医師法第24条で医師に義務づけられています。保存期間は5年です。
- アートメイクは自由診療でも医行為です。記録が不要になるわけではありません。
- 色素の製品名・色番・ロットは必ず残してください。将来その方が除去を受けるとき、これが判断材料になります。
- 同意書は「撮影の同意」と「公開の同意」を分けて取ります。ひとつにまとめると、後から使えません。
- 「消せない」「個人差がある」「2回以上必要」は同意書に明記すべき項目です。
- 2026年8月16日時点で、同意書・カルテの書き方をカリキュラムに明記していたのは32校中2校でした。
アートメイクでもカルテは必要か
必要です。アートメイクは医師法第17条にいう医行為であり、医療機関で医師の指示のもとで行われます。 保険診療か自由診療かは、記録の要否に関係ありません。
診療録(カルテ)については、医師法第24条が定めています。医師は診療をしたときは遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならず、 その診療録は5年間保存しなければならないとされています。
| 内容 | |
|---|---|
| 診療録の作成・保存 | 医師法第24条。保存期間は5年 |
| 誰の義務か | 医師(看護師が書く施術記録は医療機関の記録体系の一部) |
| 自由診療の場合 | 同じく必要 |
| 具体的な様式 | 勤務先の規程に従う |
業務委託で働く場合も同じです。契約形態は報酬の支払われ方の話であって、医療機関としての記録義務は変わりません。自分が書いた記録がどこに保管され、誰が管理するのかは、 契約時に確認しておく項目です(業務委託契約で確認する10項目)。
※参考:医師法(e-Gov法令検索)/保健師助産師看護師法(e-Gov法令検索) / 当サイトが根拠にしている資料は一次情報・関連機関リンク集にまとめています。
アートメイクのカルテに残すこと
様式は医療機関ごとに異なりますが、アートメイク特有の項目があります。最低限、次の内容が残っている状態を目指してください。
| 分類 | 残すこと | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 施術前の確認 | 既往歴・アレルギー・服薬・妊娠授乳の有無・当日の体調 | 禁忌の判断の根拠。何を確認したかが残る |
| 説明と同意 | 説明した内容、質問と回答、同意を得た日時 | 「聞いていない」を防ぐ |
| デザイン | 施術前の写真、決めた形、左右差の扱い | 2回目の基準になる |
| 使用したもの | 色素の製品名・色番・ロット、針の種類、マシンの設定 | 将来の除去・修正の判断材料(後述) |
| 施術内容 | 部位、技法、入れた深さ、所要時間、麻酔の有無と指示した医師 | 再現性と、指示関係の記録 |
| 施術後 | 直後の状態、伝えたアフターケア、次回の予定 | 経過の説明が済んでいる証拠 |
| 施術者 | 施術した人、指示した医師 | 誰が行ったかが特定できること |
アートメイクの色素の記録が除去のときに必要になる
ここが最も見落とされます。数年後、その方が除去や修正を希望したとき、何をどれだけ入れたかが分からないと、計画が立てにくくなります。
- 色素の成分によって、レーザーの効き方が変わります
- 色素によっては、レーザー照射で変色するという指摘があります
- 入れた深さと回数が分かれば、必要な処置の見当がつきます
- 他院で入れた場合、記録がなくて困るのは次に担当する人です
自分の施術は、将来誰かが直すかもしれない。そう考えると、記録は自分のためというより次の施術者と患者さんのためのものです。 除去と修正の実際はアートメイクは消せる?で扱っています。
アートメイクの同意書に入れる項目
同意書は「説明した」ことの記録です。様式は医療機関が定めますが、アートメイクでは次の項目が重要になります。
- 施術内容と部位、使用する技法
- 必要な回数(通常2回以上であること)と、それぞれの費用
- 自由診療であり保険適用外であること
- 主なリスク・副作用(腫れ・赤み・かさぶた・色ムラ・アレルギー・感染・MRI撮影時の注意)
- 仕上がり・持続期間・色の変化には個人差があること
- 簡単には消せないことと、除去にも費用と回数がかかること
- アフターケアの内容と、どうなったら連絡すべきか
- 施術を受けられない場合があること(禁忌)
撮影の同意と、公開の同意は分けてください。「写真を撮ること」と「その写真をSNSに載せること」は別の同意です。 公開については媒体・期間・加工の有無・撤回したいと言われたときの扱いまで決めておきます。 詳しくは症例写真をSNSに載せてよい?で整理しています。
「必ずきれいになります」「絶対に消えません」といった断定は、同意書にも書けません。効果を保証する表現は医療広告ガイドラインの観点からも避ける必要があります。
アートメイクスクールで記録の書き方を教えている校
2026年8月16日に32校の公開ページを確認したところ、同意書・カルテの書き方をカリキュラムに明記していたのは2校でした。
ある校は講義内容に「同意書・カルテの書き方・カウンセリング・トラブル対処法」を挙げています。 技術ではなく実務を講義に入れている例です。
| 教えている項目 | 明記していた校 |
|---|---|
| 衛生・消毒 | 多くの校が座学に含む |
| デザイン・色彩 | 多くの校が座学に含む |
| 同意書・カルテの書き方 | 2/32校 |
| 除去・修正 | 8/32校(詳細) |
記録の実務は、勤務先で覚えることになるのが現状です。それ自体は珍しいことではありませんが、フリーランス・業務委託で最初から一人で施術する場合、教わる相手がいません。就業前に、記録の様式と保管方法を確認してください。
2026年8月16日時点の各校公式サイトの公開情報にもとづく当サイトの調査です。公式サイトに記載がないことと、教えていないことは同じではありません。当サイトはこれを「低評価」ではなく「加点なし」として扱っています。採点方法の全文/全32校の比較表
この記事は一般的な整理であり、個別の法的助言ではありません。記録の様式・保存方法は医療機関ごとに定められています。実際の運用は勤務先の規程と、必要に応じて専門家の確認に従ってください。
施術の流れ全体はアートメイク看護師の仕事内容、 リスクの説明はアートメイクのリスクと合併症、 アフターケアはダウンタイムと経過にまとめています。
よくある質問
- アートメイクは自由診療でもカルテは必要ですか?
- 必要です。保険診療か自由診療かは関係ありません。アートメイクは医師法第17条にいう医行為であり、医療機関で行われます。診療録の作成と5年間の保存は、医師法第24条で医師に義務づけられています。看護師が書く施術記録も、医療機関の記録体系の一部です。
- アートメイクのカルテには何を書けばいいですか?
- 施術内容に加えて、色素の製品名・色番・ロット、入れた深さ、針の種類、麻酔の有無、回数、施術者名を残してください。加えて、既往歴・アレルギー・服薬・妊娠授乳の有無、説明した内容と同意の記録が必要です。具体的な様式は勤務先の規程に従ってください。
- アートメイクで色素のロットまで記録する必要がありますか?
- 残しておくことを強くおすすめします。将来その方が除去や修正を希望したとき、何をどれだけ入れたかが分からないと計画が立てにくくなります。また色素によっては、レーザー照射で変色するという指摘があるため、成分の情報が判断材料になります。
- アートメイクの同意書には何を入れますか?
- 施術内容・回数・費用・主なリスクと副作用・個人差があること・簡単には消せないこと・アフターケア・連絡先が基本です。加えて撮影の同意と公開の同意は分けて取ってください。範囲(媒体・期間・加工の有無・撤回時の扱い)を明記します。
- アートメイクスクールで同意書やカルテの書き方は学べますか?
- ほとんど学べません。2026年8月16日時点で、同意書・カルテの書き方をカリキュラムに明記していたのは32校中2校でした。技術は教えても、記録と書面の実務は手薄というのが現状です。勤務先の規程で覚えることになります。
32校を同じ基準で採点しています
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本記事は2026-08-17時点の公開情報にもとづきます。掲載内容の正確性・最新性を保証するものではありません。 受講・応募の判断は必ず各スクール・各医療機関の公式情報をご確認ください。 本サイトは技術の習得・就職・収入を保証するものではなく、成果には個人差があります。 アートメイクは医師法第17条にいう医行為であり、施術は医師または医師の指示を受けた看護師のみが行えます。 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています(掲載基準)。