アートメイクは消せる? 除去と修正は別のもので、どちらも簡単ではありません
患者さんから「気に入らなければ消せますか」と必ず聞かれます。ここを曖昧に答えると、あとで大きなトラブルになります。除去と修正は別物であることから整理しました。
アートメイクの除去・修正|要点
- 「除去」と「修正」は別のものです。除去は色素を薄くすること、修正は上から色を重ねて見た目を整えることです。
- どちらも1回では終わらないことが多く、完全に元通りになる保証はありません。
- 除去には主にレーザーと除去液(リムーバー)があります。色素の成分や深さによって効きが変わります。
- 色素によってはレーザーで黒く変色することがあります。だから施術前に何を入れたかの記録が重要になります。
- 2026年8月16日時点で、除去・修正をカリキュラムに入れているのは32校中8校でした。
- 入れる技術に比べて、直す技術の教育は手薄です。これは業界の構造的な弱点だと考えています。
アートメイクの「除去」と「修正」は別のもの
アートメイクの除去とは、入っている色素そのものを薄くする処置です。一方修正とは、上から色を重ねて見た目を整える施術を指します。 混同されがちですが、目的も方法も別です。
| 除去 | 修正(カラーチェンジ) | |
|---|---|---|
| 何をするか | 色素を分解・排出させる | 上から色を重ねる |
| 主な方法 | レーザー、除去液(リムーバー) | 色を足す、形を整える |
| 向くケース | 位置がずれている、色が残りすぎている | 色が薄い、左右差がある、色みを変えたい |
| 向かないケース | — | 位置そのものがずれている場合(重ねても解決しない) |
| 回数 | どちらも1回では終わらないことが多い | |
| 元通りになるか | 保証はありません | |
「消せますか」と聞かれたときに、この違いを説明できる必要があります。「薄くはできます」と「元通りにできます」はまったく違う説明です。後者を言ってしまうと、結果が伴わなかったときに信頼を失います。
アートメイクの除去にはレーザーと除去液がある
除去の方法は、大きく2つに分かれます。
| 方法 | 考え方 | 知っておくこと |
|---|---|---|
| レーザー | 色素に光を当てて細かく砕き、体内で処理・排出されるのを待つ | 色素の成分によっては変色するという指摘があります。複数回必要になることが多いとされます |
| 除去液(リムーバー) | 皮膚に薬剤を入れて色素を持ち上げる | 皮膚への負担があり、かさぶたや色素脱失が生じる可能性が指摘されています |
どちらを選ぶかは、色素の種類・深さ・部位・肌質によって変わります。これは医師が判断する領域です。施術者が独断で決められるものではありません。
※参考:厚生労働省「美容医療を受ける前に」/医師法(e-Gov法令検索) / 当サイトが根拠にしている資料は一次情報・関連機関リンク集にまとめています。
アートメイクが消えにくい理由
アートメイクは皮膚のごく浅い層に色素を入れるため、タトゥーよりは薄くなりやすい施術です。それでも「消えにくい」のには理由があります。
- 入る深さが均一ではない。同じ施術でも、部位や肌の状態で深さにばらつきが出ます
- 色素の成分がさまざま。メーカーや色によって粒子の大きさや組成が違い、レーザーの効き方が変わります
- 複数回入れていることが多い。2回以上重ねるのが通常なので、そのぶん色素の量が増えます
- 他院で入れた場合、記録がないことがある。何をどれだけ入れたか分からないと、除去の計画が立てにくくなります
だから施術記録が重要です。使った色素の製品名、色番、入れた深さ、回数——これらは将来その方が除去や修正を受けるときの材料になります。自分の施術は、将来誰かが直すかもしれないという前提で記録してください。
色が変わっていく仕組みそのものはアートメイクの色はなぜ変わる?で扱っています。 タトゥーとの深さの違いはアートメイクとタトゥーの違いをご覧ください。

アートメイクの修正(カラーチェンジ)の限界
修正は「上から重ねる」施術なので、できることに限界があります。
| 状態 | 修正で対応できるか |
|---|---|
| 色が薄くなってきた | 対応しやすい(リタッチ) |
| 色みが赤い・青いなど変色した | 色を足して整えられることがあります |
| 左右差がある | 足す方向なら対応できることがあります |
| 位置そのものがずれている | 難しい。重ねても元の線は消えません |
| 形が大きすぎる・太すぎる | 難しい。小さくする方向には重ねられません |
| 色が濃すぎる | 難しい。除去の検討になります |
ここに、施術する側にとっての教訓があります。「足す方向」は後から直せますが、「引く方向」は直せません。だから最初は細めに、薄めに入れて、2回目で足すという順序になります。 これがアートメイクが2回以上必要な理由の一つです。
ある校は、除去・修正を学ぶ意義について「除去修正を学ぶことで、失敗しないデザインと、いざというときにリカバリーのきくデザインや色素選びができるようになる」と説明しています。直し方を知ることが、入れ方の質を上げるという考え方です。
除去・修正を学べるアートメイクスクール
2026年8月16日に32校の公式サイトを確認し、講習内容として除去・修正が書かれている校を数えました。8校です。
- アートメイクスクール Cleo東京・神宮前(出張受講あり)74/100除去・修正をカリキュラムに入れています 公式サイトの講習内容に明記があった校です詳しく見る→
- Hawaii PMU Academyハワイ本校・千葉市川・東京・京都65/100除去・修正をカリキュラムに入れています 公式サイトの講習内容に明記があった校です詳しく見る→
- THE ARTMAKE TOKYO スクール銀座・大阪・福岡64/100除去・修正をカリキュラムに入れています 公式サイトの講習内容に明記があった校です詳しく見る→
- 横浜アートメイククリニック スクール横浜50/100除去・修正をカリキュラムに入れています 公式サイトの講習内容に明記があった校です詳しく見る→
- ROC国際メディカルアートメイク協会大阪・博労町44/100除去・修正をカリキュラムに入れています 公式サイトの講習内容に明記があった校です詳しく見る→
- PGC Schools(旧Biotouch Japan)東京・北海道・大阪・京都・福岡43/100除去・修正をカリキュラムに入れています 公式サイトの講習内容に明記があった校です詳しく見る→
- アートメイクスクール東京東京・表参道/オンライン42/100除去・修正をカリキュラムに入れています 公式サイトの講習内容に明記があった校です詳しく見る→
- アートメイク&スクール ROCO/結Yui東京・赤羽(出張あり)38/100除去・修正をカリキュラムに入れています 公式サイトの講習内容に明記があった校です詳しく見る→
| 技術 | 教えている校 |
|---|---|
| 眉・手彫り(入れる) | 27/32校 |
| 眉・マシン(入れる) | 26/32校 |
| 除去・修正(直す) | 8/32校 |
入れる技術と直す技術で、これだけ差があります。アートメイクが「簡単には消せない」施術である以上、直せる人が足りていないという状態です。 この点はアートメイクスクール業界の現在地でも取り上げています。
2026年8月16日時点の各校公式サイトの公開情報にもとづく当サイトの調査です。クリニックの施術メニューとしての「除去対応」は数えていません(スクールで学べるかが基準です)。公式サイトに記載がないものは数えていません。記載がないことと、教えていないことは同じではありません。採点方法の全文/全32校の比較表
アートメイクを「消せますか」と聞かれたときの答え方
この質問には、施術前のカウンセリングで必ず答えることになります。伝えるべきことを整理しました。
- 時間の経過で薄くはなるが、いつ・どこまで薄くなるかには個人差がある
- 意図して消す場合は、レーザーや除去液による別の処置が必要になる
- 複数回かかることが多く、完全に元通りになる保証はない
- 除去にも費用と時間がかかる(自由診療のため保険適用外)
- 色素によっては、除去の過程で変色する可能性が指摘されている
- だからこそ、入れる前のデザインの合意が重要になる
「簡単に消せます」とは言わないでください。期待だけが大きくなった状態で施術を受けると、結果に納得できなかったときの落差が大きくなります。医療広告ガイドラインでも、術前術後の写真には主なリスク・副作用の併記が求められています(症例写真をSNSに載せてよい?)。
この記事は一般的な整理であり、個別の診療についての助言ではありません。除去を検討される方は、医療機関で医師にご相談ください。 アートメイクは自由診療(保険適用外)で、結果には個人差があります。
施術に伴うリスクはアートメイクのリスクと合併症、 色の変化はアートメイクの色はなぜ変わる?、 施術の流れはアートメイク看護師の仕事内容にまとめています。
※参考:厚生労働省「美容医療を受ける前に」/厚生労働省「医療広告ガイドライン」 / 当サイトが根拠にしている資料は一次情報・関連機関リンク集にまとめています。
よくある質問
- アートメイクは消せますか?
- 薄くすることはできますが、完全に元通りになる保証はありません。方法は主にレーザーと除去液(リムーバー)で、いずれも複数回必要になることが多いとされています。色素の成分・入っている深さ・経過年数によって効き方が変わるため、結果には個人差があります。
- アートメイクの除去と修正は何が違いますか?
- 除去は入っている色素そのものを薄くする処置、修正は上から色を重ねて見た目を整える施術です。目的が違うため、方法も難易度も別です。色が濃すぎる・左右差がある場合は修正で対応できることがありますが、位置そのものがずれている場合は除去が必要になることがあります。
- アートメイクの除去は何回くらいかかりますか?
- 一律には言えません。色素の種類、入っている深さ、経過年数、部位によって変わります。1回で終わることは少なく、複数回を要することが多いとされています。当サイトでは平均回数の公的なデータを確認できませんでした。回数と費用は施術する医療機関にご確認ください。
- アートメイクの除去でレーザーを使うと色が黒くなることがありますか?
- 色素の成分によっては、レーザーの照射で変色するという指摘があります。特に白や肌色を含む色素で起こりうるとされます。そのため施術時にどの色素を使ったかの記録が重要になります。除去を検討する場合は、施術した医療機関の記録を確認してもらってください。
- アートメイクの除去はスクールで学べますか?
- 学べる校は限られます。2026年8月16日時点で、除去・修正をカリキュラムに入れていると確認できたのは32校中8校でした。入れる技術(眉の手彫りは27校)に比べると大きく少なく、直す技術の教育が手薄という状況です。
32校を同じ基準で採点しています
学べること・費用・実績・アフターフォロー・就職開業の5軸で100点満点。 受講料は「その金額で学べる範囲」と「全部位そろえた総額」を分けて掲載しています。
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本記事は2026-08-17時点の公開情報にもとづきます。掲載内容の正確性・最新性を保証するものではありません。 受講・応募の判断は必ず各スクール・各医療機関の公式情報をご確認ください。 本サイトは技術の習得・就職・収入を保証するものではなく、成果には個人差があります。 アートメイクは医師法第17条にいう医行為であり、施術は医師または医師の指示を受けた看護師のみが行えます。 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています(掲載基準)。