アートメイクとは? 皮膚の浅い層に色素を入れる医行為です
施術する側になると、患者さんから最初に聞かれるのがこの質問です。曖昧に答えると信頼されません。定義から順に、説明できる形で整理しました。
アートメイクとは|要点
- アートメイクとは、皮膚のごく浅い層に色素を入れて、眉やリップの色・形を長期間保たせる施術です。厚生労働省も「皮膚のごく浅い層に色素を定着させる」ものとして扱っています。
- アートメイクは医師法第17条にいう「医行為」です。施術できるのは医師、または医師の指示を受けた看護師(准看護師を含む)に限られます。
- 施術できる場所は医療機関だけです。サロン・自宅・レンタルスペースでは行えません。
- 持続期間は一般に1〜3年程度で薄くなるとされます(個人差があります)。皮膚のターンオーバーの影響を受けるためです。
- 1回では完成しません。通常2回以上に分けて色を重ねます。
- 簡単には消せません。これがメイクとの決定的な違いです。
アートメイクとは何か(定義)
アートメイクとは、皮膚のごく浅い層に専用の針で色素を入れ、眉やリップなどの色・形を長期間保たせる施術です。厚生労働省が運営する美容医療の情報サイトでも、「皮膚のごく浅い層に色素を定着させる」ものとして説明されています。
洗顔やクレンジングでは落ちません。 一方で、入れた色素は皮膚のターンオーバーの影響を受けて少しずつ薄くなります。「落ちないが、永久でもない」——これがアートメイクの基本的な性質です。
| 項目 | アートメイク |
|---|---|
| 入れる深さ | 表皮に近い浅い層 |
| 持続 | 一般に1〜3年程度で薄くなる(個人差あり) |
| 落ちるか | 洗顔・クレンジングでは落ちない |
| 消せるか | 簡単には消せない(レーザー・除去液などの処置が必要) |
| 回数 | 通常2回以上 |
| 法的な扱い | 医師法第17条にいう医行為 |
| 施術者 | 医師、または医師の指示を受けた看護師・准看護師 |
| 場所 | 医療機関のみ |
| 費用 | 自由診療(保険適用外) |
※参考:厚生労働省「美容医療を受ける前に」/厚生労働省「医師免許を有しない者によるいわゆるアートメイクの取扱いについて」(令和5年7月3日) / 当サイトが根拠にしている資料は一次情報・関連機関リンク集にまとめています。

アートメイクとメイク・タトゥーは何が違うのか
アートメイクは、メイクとタトゥーのちょうど中間にあります。落ちない点はタトゥーに近く、薄くなる点はメイクに近い、という位置づけです。
| メイク | アートメイク | タトゥー | |
|---|---|---|---|
| 色素の位置 | 皮膚の表面 | 皮膚のごく浅い層 | より深い真皮 |
| 落ちるか | 洗顔で落ちる | 落ちない | 落ちない |
| 持続 | 1日 | 一般に1〜3年で薄くなる | ほぼ半永久的 |
| やり直し | いつでも | 簡単ではない | 難しい |
| 法的な扱い | 規制なし | 医行為 | 医行為ではないとされた(令和2年 最高裁決定) |
| 行える人 | 誰でも | 医師・看護師 | — |
「タトゥーは医行為でないのに、なぜアートメイクは医行為なのか」とよく聞かれます。 令和2年の最高裁決定でタトゥー施術行為は医行為でないと判示されましたが、厚生労働省は令和5年の通知で、アートメイクについては医行為にあたるという整理を示しています。この違いは施術者として説明できる必要があるため、アートメイクとタトゥーの違いで詳しく扱っています。
アートメイクができる部位
アートメイクの中心は眉です。次いでリップ、アイラインと続きます。 当サイトが2026年8月14日に32校を調べたところ、各校が教えている部位には大きな差がありました。
| 部位 | 内容 | 教えている校 |
|---|---|---|
| 眉(手彫り) | 1本ずつ毛を描く。自然な仕上がり | 27/32校 |
| 眉(マシン) | 点の集合で面を作る。パウダー眉など | 26/32校 |
| リップ | 唇の色や輪郭を整える | 25/32校 |
| アイライン | まつ毛の生え際に入れる | 22/32校 |
| ヘアライン | 生え際・薄毛が気になる部分 | 12/32校 |
| 除去・修正 | 入れた色素を薄くする・直す | 8/32校 |
注目していただきたいのは最後の行です。入れる技術を教える校は多くても、直す技術・消す技術を教えている校は32校中8校にとどまります。 アートメイクが「簡単には消せない」施術である以上、これは業界の構造的な弱点だと考えています。
部位ごとの違いと、学ぶ順番についてはアートメイクはどこにできる?部位別の違いにまとめました。 眉の手彫りとマシンの違いは手彫りとマシンの違いをご覧ください。
2026年8月14日時点の各校公式サイトの公開情報にもとづく当サイトの調査です。採点方法の全文/全32校の比較表
アートメイクは誰が施術できるのか
アートメイクは医師法第17条にいう医行為です。厚生労働省は令和5年7月3日の通知で、医師免許を持たない者が業として行えば医師法第17条違反にあたるという整理を都道府県あてに示しています。
- 施術できる人:医師、または医師の指示を受けた看護師・准看護師
- 施術できる場所:医療機関として届出のある施設のみ
- 罰則:医師法第31条第1項第1号により3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
「スクールの認定資格があれば施術できる」わけではありません。スクールが発行する認定証・ディプロマ・「国際ライセンス」はすべて民間発行で、それ自体で施術ができるようになるものではありません。必要なのは医師免許か看護師免許です。詳しくはアートメイクに「資格」は必要?と認定資格・協会の違いをご覧ください。
※参考:厚生労働省「医師免許を有しない者によるいわゆるアートメイクの取扱いについて」(令和5年7月3日)/医師法(e-Gov法令検索) / 当サイトが根拠にしている資料は一次情報・関連機関リンク集にまとめています。
アートメイクが2回以上必要な理由
アートメイクは1回では完成しません。通常2回以上に分けて色を重ねます。理由は3つあります。
- 色素は均一には定着しない。1回目でどれだけ入るかは、施術してみないと分かりません
- 一度に濃く入れると修正できない。薄めに入れて、2回目で調整するほうが安全です
- 治癒の過程で色が抜ける。かさぶたと一緒に色素が取れる分を見込む必要があります
この「2回以上必要」という前提は、費用の説明にも関わります。1回あたりの料金だけを示すと、患者さんは総額を誤解します。 症例写真を出すときに回数と費用の併記が求められるのも同じ理由です (症例写真をSNSに載せてよい?)。
色の入り方と変化についてはアートメイクの色はなぜ変わる?、 リスクと合併症についてはアートメイクのリスクと合併症で扱っています。
アートメイクを施術する側になるには
看護師免許を持っていることが出発点です。そのうえで、次の2つの道があります。
| ルート | 内容 | 向いている方 |
|---|---|---|
| スクールで学んでから働く | 受講料はおよそ20〜100万円。技術を身につけてから就職・業務委託 | 30代後半以降の方、確実に技術を得たい方 |
| 未経験可の求人に応募する | 院内研修で学ぶ。受講料はかからない | 20〜30代前半の方(年齢条件がある求人が多い) |
施術する側の職業そのものはアートメイク看護師とは?、 費用・期間・進む順番の全体像はアートメイク看護師になるには?、 求人の実態は未経験でも就職できる?「35歳の壁」にまとめています。 スクールを比べる場合は、全32校の比較表と30秒診断をご利用ください。
この記事は一般的な説明であり、個別の診療や施術についての助言ではありません。アートメイクは自由診療(保険適用外)で、仕上がり・持続期間・リスクの現れ方には個人差があります。施術を検討される方は、医療機関で医師にご相談ください。
よくある質問
- アートメイクとは何ですか?
- アートメイクとは、皮膚のごく浅い層に専用の針で色素を入れ、眉やリップなどの色・形を長期間保たせる施術です。洗顔やクレンジングで落ちない一方、皮膚のターンオーバーの影響を受けて少しずつ薄くなります。日本では医師法第17条にいう医行為として扱われ、医師または医師の指示を受けた看護師が、医療機関で行います。
- アートメイクは何年くらいもちますか?
- 一般に1〜3年程度で薄くなるとされます。ただし個人差があります。皮膚のターンオーバー、体質、部位、色素の種類、紫外線の影響などで変わります。「何年もちます」と断定できるものではありません。色の変化についてはアートメイクの色はなぜ変わる?で詳しく整理しています。
- アートメイクとタトゥーは何が違いますか?
- 色素を入れる皮膚の深さが違います。アートメイクは表皮に近い浅い層に、タトゥーはより深い真皮に色素を入れます。そのためアートメイクは薄くなりますが、タトゥーはほぼ半永久的に残ります。法的な扱いも異なり、アートメイクは医行為とされています。詳しくはアートメイクとタトゥーの違いをご覧ください。
- アートメイクは誰でも施術できますか?
- できません。アートメイクは医師法第17条にいう医行為であり、医師、または医師の指示を受けた看護師・准看護師のみが行えます。施術場所も医療機関に限られます。医師免許を持たない者が業として行えば医師法違反となり、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。
- アートメイクは消せますか?
- 簡単には消せません。時間とともに薄くはなりますが、意図して消す場合はレーザーや除去液による処置が必要で、複数回かかることも、完全には消えないこともあります。これがメイクとの決定的な違いです。除去・修正を教えているスクールは32校中8校にとどまります。
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本記事は2026-08-17時点の公開情報にもとづきます。掲載内容の正確性・最新性を保証するものではありません。 受講・応募の判断は必ず各スクール・各医療機関の公式情報をご確認ください。 本サイトは技術の習得・就職・収入を保証するものではなく、成果には個人差があります。 アートメイクは医師法第17条にいう医行為であり、施術は医師または医師の指示を受けた看護師のみが行えます。 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています(掲載基準)。