アートメイク看護師は個人事業主になるのか? 業務委託で働くと必要になる手続き
「業務委託で働く」と決まった時点で、税金と保険の扱いが変わります。契約の中身は別の記事に書きましたが、そこで触れていない手続きの話をまとめます。
アートメイク看護師と個人事業主|要点
- 業務委託で働くと、多くの場合は個人事業主になります。32校中25校が業務委託に言及しています。
- 雇用ではないので、給与ではなく報酬です。源泉徴収や年末調整の扱いも変わります。
- 開業届の提出期限は「その年分の確定申告期限まで」が国税庁の現在の記載です。「1か月以内」ではありません。
- 青色申告をするなら、開業から2か月以内に申請が要ることがあります。開業届より期限が短くなります。
- 青色申告特別控除は55万円(要件を満たせば65万円)または10万円です。
- 勤務先の社会保険から外れる場合は、国民健康保険・国民年金へ切り替えます。
- 税務の個別判断は税理士にご確認ください。当サイトの監修者は医師で、税務の専門家ではありません。
アートメイク看護師が個人事業主になるのはどんなときか
雇用されるか、業務委託かで分かれます。アートメイクの現場では業務委託が多く、その場合は個人事業主として働くことになります。
| 雇用(正社員・パート) | 業務委託 | |
|---|---|---|
| 立場 | 従業員 | 個人事業主 |
| 受け取るもの | 給与 | 報酬 |
| 税の手続き | 年末調整(勤務先) | 確定申告(自分) |
| 社会保険 | 勤務先の健康保険・厚生年金 | 国民健康保険・国民年金 |
| 労働基準法 | 適用される | 原則として適用されない |
| 有給・退職金 | 制度がある | ありません |
2026年8月14日時点で、32校中25校が業務委託に言及していました。この業界では珍しい形ではありません。契約そのものの読み方は業務委託契約で確認する10項目に書きました。 この記事は、そこで触れていない手続きの話です。
先にお断りしておきます。当サイトの監修者は医師で、税務の専門家ではありません。 この記事は制度がどこにあるかを示すもので、個別の判断は税理士にご確認ください。金額や要件は改正されるため、最新の内容は国税庁のページでご確認ください。
個人事業主になると変わること
「同じ仕事をしているのに手取りが違う」が起きます。理由は3つです。
- 社会保険料を自分で払います。勤務先が半分負担していた分がなくなります
- 年末調整がありません。自分で確定申告をします。 医療費控除や生命保険料控除も、そこでまとめて申告します
- 経費を引けます。ここは有利に働く部分です。 収入から経費を引いた額に課税されます
報酬率だけで比べると読み違えます。「業務委託は歩合が高い」と言われますが、社会保険料の自己負担・有給なし・退職金なしを差し引いて考える必要があります。 逆に経費が引けるぶん有利になる面もあります。どちらが得かは、収入の額と働き方で変わります。
出回っている年収の数字がどこまで裏づけのあるものかは、年収は本当に高い?で出典まで調べています。
アートメイク看護師が個人事業主になる手続き5つ
| 手続き | 何を | いつまでに | 補足 |
|---|---|---|---|
| ① 開業届を出す | 正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」 | 事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで | 「1か月以内」と書かれた情報を見かけますが、国税庁の現在の記載は上のとおりです |
| ② 青色申告承認申請書を出す | 青色申告をしたい場合のみ | その年の1月16日以後に開業したなら、開業日から2か月以内(それ以外は申告しようとする年の3月15日まで) | ①より期限が短いことがあります。青色にするなら同時に出すのが確実です |
| ③ 健康保険・年金を切り替える | 勤務先の社会保険から外れる場合 | 退職後すみやかに | 国民健康保険・国民年金へ。任意継続という選択肢もあります |
| ④ 帳簿をつけ始める | 収入と経費の記録 | 開業と同時 | あとからまとめてやるのが最もつらいところです |
| ⑤ 確定申告する | 1年分をまとめて | 翌年の申告期間 | 国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成できます |
①の期限は誤って伝わっていることがあります。「開業から1か月以内」と書かれた情報を見かけますが、国税庁の案内の記載は「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで」です。
ただし②のほうが期限は短くなりえます。青色申告をしたい場合、その年の1月16日以後に開業したなら開業日から2か月以内に 申請が必要です。青色にするつもりなら、①と②を同時に出すのが確実です。
金額・要件・期限は改正されます。申請の前に必ず国税庁のページで最新の内容をご確認ください。
アートメイクの仕事で経費になりうるもの
ここは判断が分かれるところなので、「なりうる」と書きます。実際に計上できるかは、事業との関連性と支払った時期で変わります。税理士にご確認ください。
- 色素・ニードル・手袋などの消耗品(道具は何を使う?)
- マシン・ホルダーなどの器材 —— 金額によって扱いが変わります
- 技術講習・セミナーの費用 —— 開業前か後かで扱いが変わります
- 賠償責任保険の保険料(独立する前に確認する6つ)
- 交通費 —— 複数拠点で施術する場合の移動
- 広告・撮影・サイト制作の費用(症例写真をSNSに載せてよい?)
共通して言えるのは「領収書を残す」ことだけです。残っていなければ、経費になるかどうかを検討する余地すらありません。スクールの受講料は数十万円単位になるので、払った時点で残しておいてください(費用相場)。
個人事業主になる前に確認しておくこと
契約を結ぶ前に、この5つを確認してください。
- 雇用か業務委託か。契約書の名称ではなく、実態で判断されます
- 報酬から何が引かれるか。材料費・ベッド利用料・源泉徴収
- 賠償責任保険は誰が入るか。自分で入る必要があるか
- 社会保険はどうなるか。勤務先の保険から外れるのか
- 確定申告の相談先を決めておく。初年度は特に迷います
①が最も重要です。そして業務委託であっても、アートメイクは医師の指示のもとで行う医行為である点は変わりません。 「個人事業主だから自分の判断でやってよい」ということにはなりません (無資格サロンで働かないために)。
契約の中身は業務委託契約で確認する10項目、 独立の形は独立・開業はできるのか、 集客は患者さんはどう集める?にまとめています。
アートメイク看護師とは何か、なるまでに何が要るのかはアートメイク看護師になるには?にまとめています。 この記事はその一部を掘り下げたものです。
※参考(いずれも2026年8月22日閲覧):国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」/国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」/国税庁「No.2072 青色申告特別控除」 / 本記事は制度の所在を示すもので、税務上の個別の判断を行うものではありません。当サイトが根拠にしている資料は一次情報・関連機関リンク集にまとめています。
よくある質問
- アートメイク看護師は個人事業主になりますか?
- 働き方によります。クリニックに雇用されるなら従業員ですが、業務委託契約なら個人事業主として扱われるのが一般的です。当サイトが調べた32校のうち25校が業務委託に言及しており(2026年8月14日時点)、この業界では珍しい形ではありません(業務委託契約で確認する10項目)。
- アートメイクで開業届はいつまでに出しますか?
- 国税庁の現在の記載では「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで」です。「開業から1か月以内」と書かれた情報を見かけますが、国税庁の案内はこの表現です。ただし青色申告をする場合は別に期限があり、そちらのほうが短くなることがあります。最新の要件は国税庁のページでご確認ください。
- アートメイクの仕事で青色申告はしたほうがよいですか?
- 判断は税理士にご相談ください。制度としては、青色申告者は所得金額から55万円(一定の要件を満たす場合は65万円)または10万円を控除できます(青色申告特別控除)。申請には期限があり、その年の1月16日以後に開業した場合は開業日から2か月以内です。当サイトの監修者は医師で、税務の専門家ではありません。
- 業務委託になると健康保険はどうなりますか?
- 勤務先の社会保険から外れる場合は、国民健康保険・国民年金へ切り替えます。退職後一定期間は任意継続を選べる場合もあります。どちらが有利かは収入や扶養の状況で変わるため、加入先の窓口で確認してください。手取りの計算にも影響します(年収は本当に高い?)。
- スクールに通う費用は経費になりますか?
- 判断は税理士にご確認ください。一般論として、事業を始める前に支払ったものと始めた後に支払ったものでは扱いが変わります。金額も大きいため(費用相場)、領収書は必ず残しておいてください。残っていなければ、そもそも検討の余地がありません。
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本記事は2026-08-22時点の公開情報にもとづきます。掲載内容の正確性・最新性を保証するものではありません。 受講・応募の判断は必ず各スクール・各医療機関の公式情報をご確認ください。 本サイトは技術の習得・就職・収入を保証するものではなく、成果には個人差があります。 アートメイクは医師法第17条にいう医行為であり、施術は医師または医師の指示を受けた看護師のみが行えます。 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています(掲載基準)。